吾夫うち)” の例文
吾夫うちでも好きな道と見えましてね、運座でもありますとよくその方の選者に頼まれてまいりますよ。昨晩の催しは吉原よしわらの方でございました。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ところが、青山さん、吾夫うちの言い草がいいじゃありませんか。おそく夜道を帰って来るところが、おれの俳諧はいかいですとさ。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「青山さん、さぞおやかましゅうございましたろう。吾夫うちじゃあんなにおそく帰って来て、戸をたたきましたよ。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
吾夫うちじゃ暇さえあれば本を読んだり、お弟子でしを教えたりしですよ、男のかたもいろいろですねえ。兄さんは私たちの帯の世話までお焼きなさる方でしょう。吾夫うちと来たら、わたしが何を
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)