吉平きっぺい)” の例文
「ははは、神経ですよ」と、吉平きっぺいは笑い消したが、実はこの病人については、初めから吉平もこころのうちで首をかしげていた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帝は、かれの病の篤い由を聞かれると、ひと事ならずお胸をいためられて、さっそく典薬寮てんやくりょうの太医、吉平きっぺいというものに命ぜられて、かれの病を勅問された。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卿らも、或いはご承知だろうが、亡き太医たいい吉平きっぺいに二人の遺子がある。兄を吉邈きっぽうといい、弟を吉穆きつぼくという。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……かりが帰る。つばくろが来る。春は歩いているのだ。やがて、吉平きっぺいからも何かいい報らせがあろう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)