吉井勇よしいいさむ)” の例文
と断わったことがあったが、吉井勇よしいいさむさんが編纂へんさんした、武子さんの遺稿和歌集『白孔雀しろくじゃく』のあとに、柳原燁子やなぎはらあきこさんが書いていられる一文に
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
東京の桜井書店で発行になった吉井勇よしいいさむ氏の歌集『旅塵』に、佐渡の外海府での歌の中に「寂しやと海のうえより見て過ぎぬ断崖だんがいに咲く萱草かんぞうはな
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
午後迄柊屋ひいらぎや旅館に休憩。午後烏丸一条南中田余瓶よへい居に行き、小野竹喬ちくきょう、福田平八郎、金島桂華、高倉観崖かんがい吉井勇よしいいさむ、谷崎潤一郎、年尾、立子と共に会席の饗に預る。
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「いき」な頬は吉井勇よしいいさむが「うつくしき女なれども小夜子さよこはも凄艶せいえんなれば秋にたとへむ」
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
木下杢太郎も吉井勇よしいいさむ長田秀雄ながたひでおも若かった。ゲエテの門番の孫で、伊上凡骨いがみぼんこつの弟子の猿づらの彫刻家独逸ドイツ人のフリッツ・ルㇺプも若かった。桐の花とカステラの時代だ。緑金りょくきん暮春調の時代だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
人生の裏も底も、涙も知りつくしたはずの歌人、吉井勇よしいいさむさんが『白孔雀』巻末に書いた感想をひいてみると
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)