合点のみこ)” の例文
旧字:合點
何のかのと、故障を云って、(御門生は、令嬢に思召しがあるのでごわりましょう。)と坂田が歯を吸って、合点のみこんでいたが、どうだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金城鉄壁ならざる丸善の店が焼けるに決して不思議は無い筈だが、今朝焼けるとも想像していないから、此簡単な仮名七字が全然さっぱり合点のみこめなかった。
と冷かに笑うと、河野は人物にず、これには傲然ごうぜんとして、信ずる処あるごとく、合点のみこんだ笑い方をして
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鯉七 むむ、その儀は、ぱくりと合点のみこんだ。かわりにはの、道が寂しい……里へは、きこう同道せい。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もしかすると、そうではあるまいか、と思ったからさ。何だか余り合点のみこみ過ぎたようで妙だったね。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貸本屋の客には今までほとんど例のない、ものの言葉に、一度聞返して、合点のみこんで
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それが、」とその時、かしらはずッと合点のみこんだ顔をして
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幾度いくだびも一人で合点のみこ
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)