右近衛うこんえ)” の例文
左馬寮さまりょう右馬寮うまりょうの馬が前庭に並べられ、左近衛さこんえ右近衛うこんえの武官がそれに添って列立した形は五月の節会せちえの作法によく似ていた。
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
もとより流鏑馬やぶさめに限ったことはござらぬ、朝廷にては五月五日の騎射、駒牽こまひき左近衛さこんえ右近衛うこんえの荒手結、真手結、帯刀騎射たてわききしゃというような儀式、武家では流鏑馬に犬追物いぬおうもの笠掛かさがけ
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大将はこの中将のいる右近衛うこんえのほうの長官であったから、始終この人を呼んで玉鬘たまかずらとの縁組みについて熟談していた。内大臣へも希望を取り次いでもらっていたのである。
源氏物語:30 藤袴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
十四の歳であった。その二月に侍従になって、秋にはもう右近衛うこんえの中将に昇進した。
源氏物語:44 匂宮 (新字新仮名) / 紫式部(著)
右近衛うこんえの中将も声をお加えなさい。あまりに客らしくしているではありませんか」
源氏物語:44 匂宮 (新字新仮名) / 紫式部(著)
大将の臨時の随身を、殿上にも勤める近衛このえじょうがするようなことは例の少ないことで、何かの晴れの行幸などばかりに許されることであったが、今日は蔵人くろうどを兼ねた右近衛うこんえの尉が源氏に従っていた。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ついて来ていた右近衛うこんえじょうに命じてさらに燃やさせた。
源氏物語:27 篝火 (新字新仮名) / 紫式部(著)