叱陀しった)” の例文
お越は絹を裂くような叱陀しったとともに、二階の奥の一と間、有明ありあけの光のほのかに隠れる障子をパッと、蹴開けたのです。
食事はおちついて、皿小鉢やはしの音をさせない、くちゃくちゃむなどはもってのほかである。もしこれらの禁を犯すと、すぐさま「悠二郎——」と、父の叱陀しったがとぶのであった。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)