古婆フルババ)” の例文
如何イカに止めどなくなるのが、「ひとりガタり」の癖とは言へ、語部の古婆フルババの心は、自身も思はぬ意地くね悪さを蔵してゐるものである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其を聞くと、身狭乳母は、激しく、田舎語部ヰナカカタリベの老女を叱りつけた。男たちに言ひつけて、畳にしがみつき、柱にかきスガ古婆フルババツカみ出させた。さうした威高さは、さすがにオノヅカら備つてゐた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)