古今無双ここんむそう)” の例文
「ああ、夫子ふうしが、——古今無双ここんむそうの射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや? ああ、弓という名も、その使いみちも!」
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
宝暦ほうれき六年、二代目を継いで上上吉じょうじょうきちに進み、地芸じげいと所作をよくして『古今無双ここんむそう艶者やさもの
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
羅宇らうなおしの作爺とは、世を忌み嫌ってのいつわりの姿で、以前は加州金沢の藩士だったのが、彫刻にいそしんで両刀を捨て、江戸に出て工人の群れに入り、ことに、馬の木彫もくちょう古今無双ここんむそうの名を得て
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)