口授くじゆ)” の例文
席書せきがきの字數が長くなつたからばかりでなく、先生からその字句の意味を口授くじゆされたのが、どこか頭にのこつてゐたのだ、と思ひます。
吾が愛誦句 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
愛我を動かせば我これに意を留めてそのわがうち口授くじゆするごとくうたひいづ。 五二—五四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「それだとお気の毒だが有りませんよ。」と小説家は素気そつけなく言つた。「私はいつも速記者に口授くじゆして書かすので、私の書いたものといつては先づ校正書かうせいがき位のものでせうからね。」
口授くじゆしつつうしろ寒けき短日たんじつ懸巣かけすは飛びてするどかりしか
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
電送歌口授くじゆきほひし今出でて秋草の中にうづくまりぬる
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)