叙位じょい)” の例文
「追っては、叙位じょいの恩命もくだされようが、こうなったのは、いつにそちの忠勤にあるとのおぼしめしから今日は祝酒を賜わる。ありがたく存ずるがいい」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——この手で、まだまだ、勝手気ままに、清盛入道は、叙位じょい除目じもくわたくしするじゃろう。おそれ多いが、おかみも、あるやなしの振舞、いわんや、吾々輩われわれはいをや」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叙位じょい除目じもくのことまで、清盛父子のためにこう自由にされては、やがて、自分たちの官位もいつ剥奪はくだつされて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし、助かったら、他日、恩賞の日、其許そこを武将の叙位じょいの第一に推挙しよう。ああなにやら、濶然かつぜんと、闇がひらけて来たような。……道誉、忘れ難い一夜だな」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後白河法皇の優渥ゆうあく思召おぼしめしから、院旨いんじを以て、叙位じょい官職を賜わったものと聞かされた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一切はそれひとつでも和解し得るはずと思う。いわんや其許そこもとには、先頃、叙位じょい任官のありがたい恩命にも浴された折ではないか。この上、御軫念ごしんねんを悩まし奉るは、余りに畏れ多くはないかの
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長通ながみち叙位じょいを申しわたせ」