取澄とりすま)” の例文
春部はこれまでいつも面憎つらにくいほど取澄とりすましていたが、このときばかりは若い女子動員のように騒ぎ立てた。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どちらかと言へば狹く取澄とりすました店造りですが、中へ入つて見ると、思ひの外の構へで、數寄をこらした住居も手廣く、裏に商賣物の油ぐらがあつて、場所柄に似氣なく
イレネは、過日魚戸と一緒に歩いていたときとは別人の如き取澄とりすました表情で僕たちの前に立ち、六人の記者を一人一人紹介すると、そのまま部屋を出ていこうとした。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)