叔父貴おじき)” の例文
「なるほど、そこで叔父貴おじきに事情を話して、川長の店へとりなして貰おうというんですか。だが、その相談の時にゃ、宅助も立会いますぜ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうです、そうです。三人めの、つまり一番末のむすこだというんですがね。だから、あのかわいそうな子どもたちにゃ、気は狂っていても正銘の叔父貴おじきだというんですよ」
僕の叔父貴おじきなんだが、津田、それから清いくらと書いて清蔵せいぞう、知らない筈はないんだがね、やっぱりこのへんは田舎だな、身内の僕の口から言うのもへんだが、いまの日本の外交界では、まあ
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
『子どもにだって、少しは、楽しみがあってもいいだろう。あわれや、この春で、おれも青春二十歳はたちになる。その若さで……叔父貴おじきのやしきへ金借かねかりとは』
「もう、貴様には、さじを投げたから、俺は意見を云わんよ。小林の叔父貴おじきもそう云っておった」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「親父に糺明きゅうめいされて、切腹をする代りにと、叔父貴おじきの手で坊主にされたときは……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)