去々年おととし)” の例文
去々年おととしの春も、この花の下に立った時にそう云う感慨に浸ったのであり、そのつど、もう今度こそはこの妹と行を共にする最後であると思ったのに、今年も亦
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お通は清川何某なにがしとて、五百石を領せし旧藩士の娘なるが、幼にして父を失い、去々年おととしまた母を失い、全く孤独の身とはなり果てつ、知れる人の嫁入れ、婿れと要らざる世話を懊悩うるさく思いて
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
去々年おととしここの家へ引越したの。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)