南京豆ナンキンまめ)” の例文
ぎっしり詰った聴衆のあいだを、いつも寄席の「浦粕亭」に出ている中売りの女が、巧みに「えーおせんにラムネ、南京豆ナンキンまめにキャラメル」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
果たして中から、どやどやと数人の姿があらわれて海底に立ったその姿をよく見ると、まるで大きな南京豆ナンキンまめを縦にしたような形をしていた。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
私は露店から一袋十円の南京豆ナンキンまめを二袋買い、財布さいふをしまって、少し考え、また財布を出して、もう一袋買った。
メリイクリスマス (新字新仮名) / 太宰治(著)
どこでも見物は熱狂し、割れるように喝采かっさいした。そして舞台の支那兵たちに、蜜柑みかん南京豆ナンキンまめの皮を投げつけた。
ぎっしり詰った聴衆のあいだを、いつも寄席よせの「浦粕亭」に出ている中売りの女が、巧みに「えーおせんにラムネ、南京豆ナンキンまめにキャラメル」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
生涯の記念として、いまなお、その折のメモを失くさず、『青い鞭』のペエジの間にはさんで蔵して在るのです。三銭切手十枚、三十銭。南京豆ナンキンまめ、十銭。チェリイ、十銭。みのり、十五銭。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一粒の南京豆ナンキンまめをぽんと口の中にほうり込む。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)