医者せんせい)” の例文
やがて医者せんせいはかますそを、ずるずるとやって駈け込んだ。私には戸外おもてへ出て遊んで来いと、乳母が言ったもんだから、庭から出たです。今も忘れない。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やれ「近頃運動不足で不眠だから一晩夜の空気を吸って歩くようにと医者せんせいの厳命だから」ことの
ところで、身体の病気を治療するには、外科、内科のいずれを問わず、医者が必要のように、精神こころの病気をいやすにも、やはり医者せんせいを要します。いずれも「先生」という医者が必要です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
医者せんせいは出て来たか!」
癩を病む青年達 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
とても宿じゃ、手が届かんで、県の病院へ入れる事になると、医者せんせい達は皆こうべひねった。病体少しも分らず、でただまあ応急手当に、例の仰反のけぞった時は、薬をがせて正気づかせる外はないのです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)