勢一杯せいいっぱい)” の例文
「乃公達だって以前は——てめえよりゃよッぽど豪勢なもんだぞ。人をなんだと思っていやがるんだえ」というくらいが勢一杯せいいっぱいだ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
親不孝者と見る人々の目を背中に感じながら、白い布を取って今更の死水しにみずを唇につけるなど、蝶子は勢一杯せいいっぱいに振舞った。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「はァはァ」北外は小さい口を勢一杯せいいっぱいに開けて、わざとらしくおどろいた。「いやそれは大発見ですな」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)