劫掠ごうりゃく)” の例文
劉万戸はそれを好まなかったが、辞することもできないので、夫人を伴れて京師へ向ったところで、張士誠という乱賊が蘇州に拠って劫掠ごうりゃくをはじめていた。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「三国三教(ユダヤ教、ジェスイットおよびプロテスタント)、いずれもこの遺骸劫掠ごうりゃく遠征隊中に代表されたれば、真にインタナショナルなる事件というべし」
撥陵遠征隊 (新字新仮名) / 服部之総(著)
温泉などが湧き出してまことに住みよい土地であったが、黒姫山の山寨から地丸左陣の手下の者が時々大挙して劫掠ごうりゃくに来るので、村は富むことが出来なかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところが、同類の者に、杜遠とえんという男がいます。これがつい今しがた、街道へ働きにでて、二夫人の車を見かけ、よい獲物を得たりと、劫掠ごうりゃくして山中へ引き連れてきたわけです
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中世のころバルカン半島を劫掠ごうりゃくして廻つたトルコ軍隊の風俗をとどめてゐる民族と、ギリシャ・トルコ・スラヴの三つの風俗を合体したうへ赤と黒のギリシャ帽をかぶつてゐる民族と
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
しかるに戦争は、文明的戦争は、ヤクサ山の入り口における強盗の略奪より、パス・ドートゥーズにおけるコマンシュ土蛮の劫掠ごうりゃくに至るまで、山賊のあらゆる形式を取り用い寄せ集めたものである。