そえ)” の例文
と、口を極めて賞讃し、特にその功として、益寿亭侯えきじゅていこうに封じ、当座の賞としては、黄金の器物一そえをさずけた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに明治以後の句になりますと、中にはだんだんと季題を軽く用うる傾向を現わしてきて季題はまったくのそえものとなっているようなものを往々見るようになりました。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
しかも源太をしんにしてそえになるのは口惜しかろ、ええ負けてやれこうしてやろう、源太は副になってもよい汝を心に立てるほどに、さあさあ清く承知して二人でしょうと合点せい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
五重塔は二人で建ちょう、我を主にして汝不足でもあろうがそえになって力を仮してはくれまいか、不足ではあろうが、まあ厭でもあろうが源太が頼む、聴いてはくれまいか、頼む頼む、頼むのじゃ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)