利溌りはつ)” の例文
などいう風に自分の意見を吹き込むので、度重たびかさなれば、未亡人は利溌りはつな人であっても、やっぱりその気になって、政吉の意見に従おうとする。
お里の利溌りはつを余計愛してゐた宗右衛門が、今はお里が誰よりも怖ろしくなつた。やがてそれがいくらかの憎しみともなつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
いずれにしても我々は慚愧ざんきに堪えぬ次第であると、私は心ひそかにこの人の利溌りはつさに驚いていたのであった。