初子ういご)” の例文
或る名士の若夫人が入院して初子ういごを生んだ。安産で、男子で、経過ひだちも良かったが、さてお乳を飲ませる段になると、若夫人が拒絶した。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
私の初子ういごが十日以内に生まれるはずです。私はじっさい何と思ってこの子の誕生を迎えていいか自分にわかりません。不思議というほかはありません。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
今日は五月の五日といって、男の子のお祝いの日なのよ、坊やも初子ういごだからお父さんに祝っておもらい、のぼり
◯十三節に「そのはだええだ蝕壊くいやぶらる、すなわち死の初子ういごこれが肢を蝕壊るなり」とあるを見れば、この悪人必滅の主張があきらかにヨブを指したものであること確実である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
初子ういごだから母も心配致しまする。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)