刀子たうす)” の例文
立木觀音で艇を出でゝ、立木をきざんだ本尊の古拙ではあるが面白い像を見、勝道上人の所持であつたといふでん刀子たうすだの錫杖しやくぢやうだのを見た。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二人が宮の中にはいつた時、素戔嗚は又椋の木かげに、器用に刀子たうすを動かしながら、牡鹿の皮を剥ぎ始めた。が、彼の心は何時の間にか、妙な動揺を感じてゐた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)