凹垂へこた)” の例文
この奮励努力すべき世の中で、ゴロゴロ昼寝などする馬鹿があるかッ! 暑い暑いと凹垂へこたれるごときは意気地無しの骨頂じゃ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
いつもの通り、ごく近くのどこかの壁に彼の頭を五つ六つぶっつけて、そこで初めてせいせいして勝ちほこって立去る。彼はそう思った。今度こそ阿Qは凹垂へこたれたと。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
しかしこんな事に凹垂へこたれる吾輩でない、などと先頭に立っているので大いに得意になり、津川子と共にエイヤエイヤの掛声を揚げてよじ登る。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
凹垂へこたれ剛力などは眼中にない。あとからゆっくり来いというので、一同疲れし膝栗毛に鞭を加え、力声ちからごえを揚げてぞ突貫する。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
自慢じゃないが、高原たかはら越えだけで普道の人間ならば凹垂へこたれるところである。高原七里の峠を越えて、これから十里、日光まで伸ばそうというのだから、まるで天狗の仕事である。無謀といわばいえ。