凸凹たかひく)” の例文
白い小山をねらした雪田が三稜角形に、へららされたようになって、五、六町もつづいている、自分が従来見た雪田というのは、多少の凸凹たかひくがあるにしても
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
だだ広い其の母屋のうちの広座敷の、古畳の寄せ集めじき、隙間もあれば凸凹たかひくもあり、下手の板戸は立附が悪くなって二寸も裾があき、頭があき、上手のふすまは引手がけて
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
白い柔毛にこげのような雲が、波の連続するように——したが一つの波も動くとは見えない——凸凹たかひくを作って、変化のある海が、水平線の無限に入っている、しかし正面は、霧が斜に脈を引いて
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
路傍の石の不器用な断片きれっぱしを、七つ八つ並べて三、四寸の高さと見ず、一万尺と想ってみたまえ、凸凹たかひくもあれば、※皺ひだもあり、断崖もあって、自らなる山性をっている、人間の裳裾もすそに通う空気は
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)