凄寥せいりよう)” の例文
彼はここに於いてさきに半箇の骨肉の親むべきなく、一点の愛情の温むるに会はざりし凄寥せいりようを感ずるのみにてとどまらず、失望を添へ、恨をかさねて、かの塊然たる野末のずゑの石は、霜置く上にこがらしの吹誘ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)