八尾やお)” の例文
「またその身にこけまた檜榲ひすぎい」というのは熔岩流の表面の峨々ががたる起伏の形容とも見られなくはない。「その長さ谿たに八谷やたに八尾やおをわたりて」
神話と地球物理学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
さすがの父も里子の私を不憫ふびんに思ったのでしょう。しかし、その時いた八尾やおの田舎まで迎えに来てくれたのは、父でなく、三味線引きのおきみ婆さんだった。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
河内八尾やお町の字名に京良塚という地名が多くあるのも疑いもなく同例である。形容詞の語尾にも副詞と同じく「ら」の字を附けたのは上古にあっては珍しくない。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
五月六日、片山道明寺附近の会戦と同日、八尾やお若江方面にも激戦があった。
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)