兗州えんしゅう)” の例文
呂布はまた、高順、張遼の両名を、この小沛の城に籠めて自身は、山東、兗州えんしゅうの境にまで進み、威を振って敗残の敵を狩りつくした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「近ごろ兗州えんしゅう曹操そうそうは、しきりとけんを招き、士を募って、有能の士には好遇を与えるというじゃないか」と、もっぱら評判であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど先頃、もし彼が曹操のうしろを衝いて、兗州えんしゅうを攻めなかったら、あの時、徐州は完全に曹操のために撃破されていたろう。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燎原りょうげんの火とばかり、魔の手をひろげて行った黄巾賊の勢力は、今では青州せいしゅう幽州ゆうしゅう徐州じょしゅう冀州きしゅう荊州けいしゅう揚州ようしゅう兗州えんしゅう予州よしゅう等の諸地方に及んでいた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて、曹操が兗州えんしゅうから起つに当って、四方の勇士を募った折、げきに応じて臣となった典韋は、その折の採用試験に、怪力を示して、曹操の口から
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兗州えんしゅうから帰って、席あたたまるいとまもなく、眉に火のつくような伝令また伝令のこの急場に接したのであった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その兗州えんしゅうの城は、呂布に奪われているではありませんか。しかも、兗州を囲めば、徐州へ向ける兵は不足です。徐州へ総がかりになれば、兗州の敵の地盤は固まるばかりです。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北の青州、兗州えんしゅうを亡ぼした時、すでに四、五十万はありました。さらに、袁紹を討って四、五十万を加え、中国に養う直属の精鋭は少なくも二、三十万を下るまいと思われます。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「劉岱は、むかし兗州えんしゅうの刺史であった頃、虎牢関ころうかんの戦いで、董卓とうたくと戦い、董卓をさえ悩ましたほどの者である。決してかろんずる敵ではない。それさえわきまえておるならば行くがよい」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)