兀坐こつざ)” の例文
予は病に余儀なくせられて、毎夜半およそ一時間がほど、床上に枯坐するならひなりき。その夜もいつもの頃、目覚めて床上に兀坐こつざしぬ。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
我眼豆の如く、葡萄ぶだうの如くにして未だこれを發見せず。さいはひに今人が文を論じたる文數篇をたれば、一日千朶山房せんださんばう兀坐こつざして、いさゝか又これを論ず。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
危坐きざ兀坐こつざ賓主いづれやたかむしろ
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
この恩を謝せんとて、自ら我僑居に來し少女は、シヨオペンハウエルを右にし、シルレルを左にして、終日ひねもす兀坐こつざする我讀書の窻下に、一輪の名花を咲かせてけり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
この恩を謝せんとて、自ら我僑居けうきよし少女は、シヨオペンハウエルを右にし、シルレルを左にして、終日ひねもす兀坐こつざする我読書の窻下さうかに、一輪の名花を咲かせてけり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この恩を謝せんとて、自らわが僑居きょうきょし少女は、ショオペンハウエルを右にし、シルレルを左にして、終日ひねもす兀坐こつざするわが読書の窓下そうかに、一輪の名花を咲かせてけり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)