偽飾いつわり)” の例文
草履脱いでのっそりと三畳台目の茶室に入りこみ、鼻突き合わすまで上人に近づき坐りて黙々と一礼するさまは、礼儀にならわねど充分に偽飾いつわりなきこころ真実まことをあらわし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
根がわざとせし偽飾いつわりなればかえって笑いの尻声が憂愁うれいの響きを遺して去る光景ありさまの悲しげなるところへ、十兵衛殿お宅か、と押柄おうへいに大人びた口ききながらはいり来る小坊主、高慢にちょこんと上り込み
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)