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倖
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しあは
ふりがな文庫
“
倖
(
しあは
)” の例文
いまね、この御所を見てゐて、急に、何だか、現在の方が
倖
(
しあは
)
せのやうな気がしたンだ。——やぶれたものの哀れさは、美しい。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
お菊が手輕に殺されて自分へ疑ひが來さうもないとわかると、今度は主人の治兵衞を
狙
(
ねら
)
つた。治兵衞を殺せば、お加奈が
倖
(
しあは
)
せになると思ひ込んだのだらう
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
西行が白峯紀行にも書いた「——
清涼
(
せいりやう
)
、
紫宸
(
ししい
)
の間、百官にかしづかれ給ひ後宮後坊の
台
(
うてな
)
には、三千の
美翠
(
びすゐ
)
の
釵
(
かんざし
)
、あざらかにて、おん
眦
(
まなじり
)
に懸らんとのみ
倖
(
しあは
)
せし給ひし……」
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屡〻と
歎
(
なげか
)
ひといふわざによつて
倖
(
しあは
)
せな進歩を遂げても來た
伊勢物語など
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
何一つ
倖
(
しあは
)
せはなかつたが、ぼろきれのやうになつて死んでしまつた。寝棺へをさめて、釘を打つ時の、あの別れぎはがいまになつて、深い感傷を呼んだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
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「馬」の圖でなくてまことに
倖
(
しあは
)
せであつた。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
約束を破つたやうになつたが、君が、
倖
(
しあは
)
せになるまで、僕はどうにでもする。真心こめて考へる……。君は好きなンだよ。それでゐて、どうにも一緒になれないのは、僕の弱いところなンだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
倖
漢検準1級
部首:⼈
10画
“倖”を含む語句
僥倖
薄倖
不倖
射倖的
射倖心
僥倖児
薄倖兒
一薄倖児
薄倖児
恩倖
射倖
大倖
僥倖者
僥倖当
僥倖党
倖者
倖寵
倖僥
倖倖