倉敷くらしき)” の例文
こんどはどうしても倉敷くらしきの美術館にいってエル・グレコの「受胎告知」を見てきたいので、奈良には三四日しかいられないことになりました。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
……倉敷くらしきめいたちへの土産みやげものを買いながら、彼は何となく心がはずんだ。少女の好みそうなものをえらんでいると、やさしい交流が遠くに感じられた。
永遠のみどり (新字新仮名) / 原民喜(著)
この窯よりもむしろそういう雑器を焼く酒津さかづの方が、注意されてよいでありましょう。倉敷くらしき市外に流れる高梁たかはし川のほとりに建つ景色のよい窯場であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
岡山で誰かが自動車へ入れてくれた初平の果物のかごなど開く。倉敷くらしきでいちど降りてうどん屋で雪隠せっちんを借りる。雨はすこしあがりもようだが、低い山まで雲をかぶっている。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)