修覆しうふく)” の例文
勿論其時分は春日かすがやしろも今のやうに修覆しうふくが出来なかつたし、全体がもつと古ぼけてきたなかつたから、それだけよかつたといふわけだ。
一番気乗のする時 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「兄は何萬といふ金を溜め込んでゐるに違ひありませんよ。公儀御用を承はつて日光山の御修覆しうふくまで引受けたこともある男ですもの」
「私が此家へ入つたのは一年前。いろ/\修覆しうふくして居るうちに、床下に穴藏のあるのを見付け、何心なく入つて見ると、由比正雪の一味が隱したものか、中には千兩箱が三つ」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
町人の子でも、鍵屋は江戸一番の長者で、苗字帶刀めうじたいたうまで許され、日光山修覆しうふくの御用も勤める家柄、町方の御用聞平次では、これ丈けの證據があつても、その跡取りに齒が立ちません。