“保福寺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほふくじ66.7%
ほうふくじ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それも明治三十六年以後のことで、以前は信越線の小諸か上田あたりで下車し、和田峠なり保福寺ほふくじなりを越えて、松本平へ出る外に方法がなかった。
初めて秩父に入った頃 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
眼前めのまへには蓼科たてしな、八つが嶽、保福寺ほふくじ、又は御射山みさやま、和田、大門などの山々が連つて、其山腹に横はる大傾斜の眺望は西東にしひがしひらけて居た。青白く光る谷底に、遠く流れて行くは千曲川の水。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこは保福寺ほうふくじ峠と地蔵峠とに挟まれた谷間だ。二十日の月はその晩も遅くなって上った。水の流が枕に響いて眠られないので、一旦寝た私は起きて、こういう場所の月夜の感じをあじわった。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)