価切ねぎ)” の例文
その友達がまた品物の如何いかんにかかわらずむやみに価切ねぎり倒す癖を有っているので、彼はただ歩くために少なからぬ時間を費やさされた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「文字」を尊重している彼は、著者がそれを完成するまでに注いだ心血を思うと、よほど法外だとでも思ったときのほか、価切ねぎるということが出来なかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
芸術家の足元へ付け込んで、むやみに価切ねぎり倒すなんて失敬な奴へは売らないが好いというのが僕の意見なんだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それからいよいよ談判が始まって散々さんざ価切ねぎった末おやじが、買っても好いが品はたしかだろうなと聞くと、ええ前の奴は始終見ているから間違はありませんがねうしろにかついでる方は
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして何しろ価切ねぎって見るのが上策だと思いついた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)