佩嚢どうらん)” の例文
けれども爺は、その一本の半分とはくゆらさないうちに唐鍬の柄でそうっと揉み消した。そして、佩嚢どうらんから、なでしこのきざみ煙草を取り出し、二三度吸った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
背に重き佩嚢どうらんになひ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ヨーギ、其処そっから、どらんこ(煙草を入れる佩嚢どうらん)持って来う。——ほして、にしも少し休め。うむ、ヨーギ。」と一本の小さな栗の木をしながら言った。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
鎌を持って立っていたヨーギは、向こうの栗の小枝にかかっている佩嚢どうらんを取りに駈けて行った。その間竜雄は、無言のまま梅三爺の前に「敷島」の袋を突き出していた。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)