伝兵衛でんべえ)” の例文
旧字:傳兵衞
すなわち荒木古童あらきこどうが『残月ざんげつ』、今井慶松いまいけいしょうが『新曲洒しんきょくさらし』、朝太夫あさたゆうが『おしゅん伝兵衛でんべえ』、紫朝しちょうが『すずもり』のたぐいこれなり。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
じつあ、あの町奴め、さかさねこの伝兵衛でんべえとかいう野郎でね。ねぐらがまた大笑いなことに、八丁堀とは目と鼻の日本橋馬喰町ばくろうちょうの大根河岸がしだとぬかしゃがるんだ。
後続隊の野村伝兵衛でんべえ、山崎彦右衛門ひこえもん篠原一孝しのはらかずたかなどの人々も、それぞれ一手一手の兵をつれて、城下いちめんに展戦し、前田方の犠牲者も少なくはなかったが、佐々軍は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関八州の餌鳥取えとりどりの鑑札を出す、小田原町の伊兵衛いへえと、神田餌鳥屋敷の伝兵衛でんべえを訪ね、近頃、名人の餌刺しで、不首尾になったものはないか、商売換えをしたものはないかと聞くと
伝兵衛でんべえ 数枝の父、五十四歳。
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)