伊達男だておとこ)” の例文
憎い男、妾の伊達男だておとこ、お前が苦しむほど抱きしめたい、女の全て投げ出して。恋の司令官早く来い。
恋の一杯売 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
その代り僕は、いろいろな土産話みやげばなし青竜王せんせいにあげるつもりですよ。昨夜ゆうべ舞台下で殺された男ネ、あれは竜宮劇場に毎日のように通っていた小室静也こむろしずやという伊達男だておとこですよ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
世界じゅうでもっとも眉目秀麗びもくしゅうれい伊達男だておとこにさえ、いちべつもくれはしなかっただろう。
あの一代の伊達男だておとこ——犯罪研究家として、古今独歩を唱われる彼が、はじめて現場ならぬ、舞台を蹈む事になった。然し、決してそれは、衒気げんきの沙汰でもなく、勿論不思議でも何んでもないのである。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)