伊予守いよのかみ)” の例文
旧字:伊豫守
允成は天保てんぽう二年六月からは、出羽国亀田かめだの城主岩城いわき伊予守いよのかみ隆喜たかひろに嫁した信順のぶゆきの姉もと姫に伺候し、同年八月からはまた信順の室欽姫附かねひめづきを兼ねた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
日本側からの出席者は大坂の知事醍醐忠順だいごただおさ、宇和島伊予守いよのかみ、それに通禧ときまった。そこで、三人は出かけた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
寄合よりあい加藤伊予守いよのかみの家来で、下谷いけはたなるその邸内に住し、儒学と支那小説の講義をしていた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして、困った時の神恃かみだのみで、平常は好ましからぬ親爺おやじどもとして、主君から敬遠している美濃の三人衆——安藤伊賀守、稲葉伊予守いよのかみ氏家常陸介うじいえひたちのすけなどへ、急使をやって、招けと命じた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「菊坂の北は本多美濃守みののかみ様、阿部伊予守いよのかみ様」
他は下妻しもづまの町、井上伊予守いよのかみ一万石。
平馬と鶯 (新字新仮名) / 林不忘(著)