仮想かそう)” の例文
旧字:假想
かの女が仮想かそうに楽しむ——巴里パリに居るひとり息子が帰ったら、あたりへ家を建ててろうか、しくはいっかな帰ろうとしない息子にあんな家、んな家でも建てて置いたら
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一杯の水をのどへ下ろしたという仮想かそうを持って、彼はしかと精神を丹田たんでんに落着けるべく努めた。そのために膝を正し、姿をととのえ、平常ここにあって衆に君臨するときのままな自分を保とうとした。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)