令尹れいいん)” の例文
子文しぶんは三度令尹れいいんの職にあげられましたが、べつにうれしそうな顔もせず、三度その職をやめられましたが、べつに不平そうな顔もしなかったそうです。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
こういう話が、孔子の弟子も知らないのに、どうして後に伝わり得たであろうか。そもそもまた孔子が楚の王や令尹れいいんにそれほど認められたということは果たして可能であろうか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
亡夫は麑藩げいはんの軽き城下さむらいにて、お慶の縁づきて来し時は、太閤たいこう様に少しましなる婚礼をなしたりしが、維新の風雲に際会して身を起こし、大久保甲東おおくぼこうとうに見込まれて久しく各地に令尹れいいんを務め
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
若敖卒してのち母と共に䢵にやしなわるる間䢵子の女に淫し令尹れいいん子文を生んだ、䢵の夫人これを夢中にてしむると、虎が自分の乳で子文を育った、䢵子かりして見付け惧れ帰ると夫人実を以て告げ
令尹れいいん子西は、孔子が優れたる弟子を有すること、および「三王の法」を述べ「周召の業」を明らかにせんとしていることを指摘して、周の権威を無視している楚の立国のために危険であると論じ
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)