仕科しぐさ)” の例文
彼は激しい恐怖と戦慄を増したような風情で「どうか退いてくれ!」と言うらしい仕科しぐさをして見せた。そうして、さらに話しつづけた。
そうしてワキの録子がみのるの仕科しぐさの上につけ/\と注文をつけたりしても、みのるは自分の藝術の權威を感じながらこの録子に向つては言葉を返す事が出來なかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
僕が相手の気心をはかりかねて立っていると、その男は立ちはだかったままやはり左右にゆるく揺れていたが、僕を文字どおり上から下までいくらか仕科しぐさめいた様子で眺めて
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
母はまだ乳のしずくの残っている可愛らしい薔薇ばら色の口に接吻をしたり、子供を喜ばせるためにいろいろあやしてみたり、母だけしか知らないような種じゅ様ざまな尊い仕科しぐさをしています。
わたしは重ねて彼の仕科しぐさを見たが、それは私がかつて墓場で見た石像の姿をそのままであった。