仏語ふつご)” の例文
旧字:佛語
しかし仏語ふつご独逸ドイツ語も少しずつは通じるようになっている。この少壮者の間に新しい文芸が出来た。
沈黙の塔 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
在学三年の間は物にならざる羅甸語ラテンごに苦しめられ、物にならざる独逸語ドイツごに窮し、同じく物にならざる仏語ふつごさへ、うろ覚えに覚えて、肝心の専門の書は殆んど読むいとまもなきうちに
『文学論』序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
相見れば一人いちにんはわが身かつて外国語学校支那語科にありし頃見知りたりし仏語ふつご科の滝村立太郎たきむらりゅうたろう君、また他の一人は一橋ひとつばしの中学校にてわれよりは二年ほど上級なりし松本烝治まつもとじょうじ君なり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
学士が驚いた——客は京の某大学の仏語ふつごの教授で、さかき三吉と云う学者なのだが、無心の小児に向っては、盗賊もあやすと言う……教授でも学者でも同じ事で、これには莞爾々々にこにことして、はい、今日は
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)