仁王様におうさま)” の例文
ゴンゴラ大将は、仁王様におうさまがせんぶりのこなめたような顔をして博士のぐにゃぐにゃした肩をわしづかみにした。
「では棟梁とうりょう元値もとねに買っておくんなさい。これが誰にでも穿ける靴ならば、わたしもこんなことを言いたくはありません。が、棟梁、おまえさんの靴は仁王様におうさま草鞋わらじも同じなんだから」
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)