人馴ひとなつ)” の例文
長い木刀を横にさし、大きな笠を背負っている侏儒こびとのような小僧である。朱実がにらむと、まるッこい眼をぐりぐりうごかし、人馴ひとなつっこい歯をいてにやりとした。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも今、彼の跫音あしおとに、ふとその辺の岩蔭から、すっと起って、こっちを振り向いた白衣びゃくえの人影があった。人馴ひとなつっこく智深のほうへ近づいてでもくるのかと思うと、白い人影は、彼を見て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)