亮々りょうりょう)” の例文
「お聞きなさい、亮々りょうりょうとして、笛に似て、笛でない響きが、海の上から聞えましょう、あれは茂太郎が、蘆管を吹いているのです」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
松吟庵しょうぎんあんかんにして俳士はいしひげひねるところ、五大堂はびて禅僧ぜんそうしりをすゆるによし。いわんやまたこの時金風淅々せきせきとして天に亮々りょうりょうたる琴声きんせいを聞き、細雨霏々ひひとしてたもと滴々てきてきたる翠露すいろのかかるをや。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さいぜんから亮々りょうりょうとして満野に響いていた音声なのですけれども、あまりに亮々たるために、かえって二人の耳に入らなかったのか、そうでなければ、首を洗うことの興味と難渋で
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)