亡父おやぢ)” の例文
亡父おやぢの言葉も有るから——叔父も彼様あゝ忠告したから——一旦秘密が自分の口かられた以上は、それが何時いつ誰の耳へ伝はらないとも限らない、先輩が細君へ話す
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
可笑をかしいのは賭博ばくちが好きだつたからといつて、墓石はかいし骰子さいころの目まで盛つたのがあつた事だ。それを考へてせがれの右団次も亡父おやぢの墓を幽霊の姿にでも刻んだら面白からう。
従来これまで興行政策の上から、鴈治郎には随分犠牲になつてゐる。以前もとの延二郎ならばかくも、亡父おやぢの名前を相続してみれば、さう/\お人好しにばかりはなつては居られない。