亜麻あま)” の例文
亜麻あま色の房々した髪を無造作に断髪にした、頬の豊かな娘である。皮膚の色にも表情にも、どこか東洋的な柔らかな曇りがある。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
と、なつかしむようにいって、マタンの亜麻あま色のかみが、ぼうしのふちからのぞいているのをちらっと見て
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
彼は真っ紅な亜麻あま織りに黄金を輝かせた荘厳な衣服にあらためて、かれらを迎えた。
松前の藩から、上陸を拒まれたをしおに、この島に根城を求めたが、今までは一とおり、金髪にも亜麻あま色にも……。ええしたが、五大州六百八十二島の中で、ものもあろうに緑の髪の毛とは……
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
またらぬ、亜麻あまいろ髪か、赤ら
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
届かぬくつ爪先つまさきをやつと床に降して、ジェインは振り向く。二つに分けた亜麻あま色の垂髪たれがみは、今年わづかに肩先を越えたばかり、それをゆすつて澄みかへつた瞳を、師と呼べば呼べる人のおもてに挙げた。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
「あなたのおかあさんは、亜麻あま色のかみをしていましょう。」
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)