“五歩”の読み方と例文
読み方割合
いつあし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女の足でも五歩いつあしは無い、き正面の格子戸から物静かに音ずれたが、あの調子なれば、話声は早や聞えそうなもの、と思う妹の声も響かず
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから山内の森の中へ来ると、月が木間このまから蒼然そうぜんたる光をもらして一段の趣を加えていたが、母は我々より五歩いつあしばかり先を歩るいていました。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ぷッ、」と噴出すように更に笑った女が、たまらぬといったていに、裾をぱッぱッと、もとのかたへ、五歩いつあし六歩むあし駈戻かけもどって、じたように胸を折って
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)