二重眼瞼ふたえまぶた)” の例文
さほど高くない鼻だったが、円みを持った眉根まですっと通っていた。黒目の小さな二重眼瞼ふたえまぶたの眼が絶えず敏活に働いて、捉え難い閃きを放っていた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
睫毛の長い二重眼瞼ふたえまぶた、ツンと上を向いた可愛い鼻、豊な頬、椿の花びらの様な唇、その顔は物凄い程青ざめ、椅子の背中へやけに頭を押しつけているものだから、フサフサとした断髪が
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
くっきりとした二重眼瞼ふたえまぶたの方へ黒目を寄せて上目うわめがちに、鏡の中を覗きこみながら、寝乱れた鬢の毛をかき上げてる、軽い斜視の乏しい視力の眼付と真白な細面ほそおもての顔とを
溺るるもの (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)