不平こぼ)” の例文
はっはっは、言わねえこっちゃねえ。提灯屋、ま、不平こぼさねえで御用大事と——勘、どこかで茶漬けでもかっこんで帰るべえ。彦、紙屑籠を
いて見ると梅雨つゆはもうけたんだらうか、どうだらうかといふ研究なんだが、一人ひとりばあさんが、むかしかみなりさへ鳴れば梅雨つゆけるにまつてゐたが、近頃ぢやうは不可いかないと不平こぼしてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
持ちながら、不平こぼすなんてのは、有難冥利に尽きるこった。いや、おいらの子だが、庄公は感心者だ。どこへ出しても恥かしくねえ、なんと立派なもんじゃあねえか、なあ婆さん。
主役たる造営奉行のはらがわからないから、めったに不平こぼすことはできない。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)