不倖ふしあわせ)” の例文
そうして、お父様と、お母様にいだかれて、人間の世界へ帰る、喜びの時が来ると同時に、死んで行かねばならぬ、不倖ふしあわせな私たちの運命を、お矜恤あわれみ下さいませ。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
妾は其の間に逃れ出で、やう/\に此処まで参り侍りしが、かばかり打ち続く吾家の不祥、又は、此身の不倖ふしあわせのがれ方なく、たゞ死なむとのみ思ひ入り侍りしを、かくとどめられまゐらせ候。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)